高校生くらいから頻繁に見始めた夢があった。

季節は夏で盆祭りの会場から帰宅しているという夢だ。
わいわいがやがやの囃しも小さくなり静けさに包まれている路地裏に入った。
坂道を降って行くと帰り道が同じと思われる金魚袋(金魚すくいの奴ね)持って楽しげに話す。

浴衣姿の2人組の女の子が歩いていた頻繁に見るのでもうわかっている。
左側に電信柱がこれから出てくるんだよな、ほら出てきた。
そして2人組を追い越そうとして・・・ここでいつも目が覚めるわけだ。

何なんだよこの夢は!?と思って高校生活を送っていた。
そして卒業をして俺は都内の大学へ通うことになった。

夏になりそこの地元の夏祭りを見に行って屋台で色々買って盆踊りも楽しんだ。
終了時刻となったんでさて寮に帰るかと帰路についた夜の21時。
そして寮への近道があることに気づいてそちらに行くことにしたんだが、目が覚めてるとやはりわかるもんだな・・・。

例の路地裏の坂道だった・・・。

ハッと気づくなり(夢の舞台はここだったのか・・・やべぇ・・いる!)と思って、恐る恐るのゆっくり足で坂道を降って行った。

案の定、前方に2人はいた彼女らを視界にとらえたタイミングは2人が電信柱の横を歩いてる時だった。

あんなとこにいる・・電信柱のとこだ、この距離だ気づかれないまま逃げよう・・・。

後ろを振り返った瞬間「ちょっと待ってよ・・・夢と違うじゃん・・・」と女の声・・・。
警察24時でモザイクで声も変えてるといったあんな感じの低い声が遠くから聞こえてきた。

見ると2人は振りかえっていた。
金魚袋もってニタニタ笑う女の顔。
目の周りに大きなクマが見えた。

アナグマっているじゃん?
目の周り黒いじゃん?
あんな感じで形が勾玉の形しててさ黒いんだよね。
黒勾玉って感じ。

そして両手を幽霊見たくつきだしてキツネみてぇにかくって手首からおって、ひょこひょこしながらこちらに向かってきた。

スピードが速い!
なんでキョンシー走りなんだよ!

そう思いながら全力で逃げ人通りが多いとこまで戻ってなんとか事なきを得た。
あの時捕まってたらどうなっていたかは想像したくもない。