20年前の話。

ある日、我が家に一通の封書が届いた。
茶色い普通の封筒で、差出人は『コミックキャプテン編集部』だった。

開けてみると、中には『銀河英雄伝説』のテレカ(500度数)が一枚入ってた。
雰囲気的に、読者プレゼントの景品っぽい。
でも、なぜ家にそのテレカが送られてきたのかが判らない。

我が家(両親・姉・私の四人家族)で銀英伝を読んでる人は誰もいないし、コミックキャプテンって雑誌も、銀英伝がそこで連載されてたことも知らなかった(昨品名だけは知ってた)。

当然、家族の誰も、その読者プレゼント(だろう)に応募した覚えがない。

それだけでも?なんだけど、更に?だったのは、宛先の名字だった。
宛先の住所は、一字一句間違いなく番地まで我が家のもの。
ただ、名字だけが違ったのだ。

私の名前は◯◯丸子(仮名)なんだけど、その封筒には『由井丸子様』と書かれていた。

特に怖くも気味が悪いわけでもなく、とにかく不思議だった。

封筒には編集部の電話番号が印されていたので、姉が、「この編集部に直接訊いてみよう」と、電話をかけた。
編集部の返事は「今日は担当者が休みなので、別の日にして下さい」とのこと。

結局そのまま、二回目の電話はかけなかったから真相は判らなかったけれど、そのテレカはしばらく家にあった。

こないだ実家に帰った時、思い出して探してみたけど、見つからなかった。
誰も使ってないはずなんだけどなぁ・・・。