祖母からの話です。

祖母の近所に嫁いできたお嫁さんがいました。
嫁いだ所のウトさんは鬼籍で嫁両親も鬼籍なため帰る場所もない。
もともと不安だったのか、お嫁さんはいつも弱気でおどおどビクビクしていたので、強気なトメの心に火をつけたそうです。

トメのいびりはテンプレフルコース一丁上がり!状態だったそうです。
でも、トメは外ヅラは無駄にいいトメなので、周りの人もお嫁さんの言い分は信じずに
トメの言い分を信じてお嫁さんだけ存在がないように扱われたそうです。(祖母もその時はトメを信じてお嫁さんは信じてなかったそうです)

そんな時にトメがボケた。

トメはボケて施設にいれようと決めたのにトメ姉とトメ弟が「トメ子を施設にいれるなんてっ!嫁ならば介護をしなさい!」などと大反対したそうです。

それからお嫁さんは必死で介護をしたそうです。
旦那もエネじゃなく、まともな人だったので、施設のことを相談しながら介護にも協力したそうです。

トメはおとなしい時とわめき散らして(発狂?)をしながら夫婦の物を壊しまくる時があるそうでお嫁さんは苦労をしたそうです。

こっからがDQ返し。
いきなりお嫁さんが「海行かない?トメさんも家に縛りつけちゃかわいそうだよ」「お袋も海好きだし行くか!」と旦那を上手く誘導して海へ行くことになりました。

海についたら「旦那君は自由にしてて!トメさんは私が見てるわ!」と旦那を開放させてトメに「トメさん、海ですよ!着替えて泳ぎましょ!」と。

トメに水着を着せて肩に子供が着ける浮き袋を着けて海へはいる。
トメの腕をつかんでゆっくり深くへ行き、腕を振り払う。

トメは海好きだけどロマンチックに夕日が沈む海が好きなだけで、泳ぐことはできないカナヅチ。
浮き袋はつけてるけど溺れそうになり、もがくトメとは違いお嫁さんは悠々と深い所でも泳いでいたそうで、最後は助けたそうです。
旦那は泳げないことを知らなかったそうで、このことを話すと「お袋が嫁子にしたことは知ってた。ここまで追い詰めてすまなかった」と土下座したそうです。

結局施設に行くことが決まってそこで楽しく暮らして亡くなったそうです。

ボケている老人を溺れる寸前まで助けなかったのがDQで。