12年前の話。
当時、俺はオカンと2人で父方の祖父母を介護していた。
もともと祖父が事故で身体障害になり寝たきり、その後介護していた祖母が認知症になり、長男である父が引きとったものの、本人は介護する気なし。
姉は既に結婚していて、弟はその話が出た直後に遠方の専門学校に入学を決めて逃亡。
仕方なく、母と当時大学生だった俺と2人で介護することになった。
介護は想像以上にきつく、俺もオカンも交代で精神科に通いながらの介護で、夜は眠剤つかって寝ていた。
当時、俺はオカンと2人で父方の祖父母を介護していた。
もともと祖父が事故で身体障害になり寝たきり、その後介護していた祖母が認知症になり、長男である父が引きとったものの、本人は介護する気なし。
姉は既に結婚していて、弟はその話が出た直後に遠方の専門学校に入学を決めて逃亡。
仕方なく、母と当時大学生だった俺と2人で介護することになった。
介護は想像以上にきつく、俺もオカンも交代で精神科に通いながらの介護で、夜は眠剤つかって寝ていた。
お互いギリギリのなか、俺も介護だけじゃなく、家事も手伝うようになっていた。
その日、夕方にう◯こもらした祖母のパジャマとシーツを洗ったものを干すタイミングを失って、夜22時過ぎに2階のベランダで干していた。
ふと気づくと、俺と同じ高さで、うちのベランダと隣の家の隙間を、ゆっくりと歩く女の人がいた。
2階と同じ高さで歩くなんて明らかにおかしいんだが、なぜか恐怖感がわかず、「ああ。俺本格的に頭おかしくなったんだなあ」と思ってぼんやり見ていた。
その人はそのままゆっくり横を通り過ぎて、隣の家の裏手のほうに曲がっていった。
彼女が消えてからも「今のは幻覚か?幽霊か?まあ、どっちでもかわらんか・・・」と妙に冷静に思って、洗濯物を全部干して、部屋に戻った。
その後、夜、ベランダで洗濯物を干していると、時々その女性が通るのを見た。
精神科の医者に伝えたところ「時間も時間だから、半分寝てたんじゃないですか?(笑)」といわれて、「そうですね」と答えた。
しばらくして、祖父母ともに相次いで死に、俺とオカンは介護から解放された。
正直、祖父母が死んだ時、俺はほっとした。
やっと死んでくれた。
もう夜中にトイレにつれていけと喚く人はいなくなったんだ。
そのくせ、わざと目のまでうんこもらして、お前のせいだと、さっさと処理しろと喚く人は消えたんだ、と嬉しくて泣いてしまった。
後ろめたさから、その後俺は祖父母のことについて話を一切しなかった。
オカンも同じような感じだったから、きっと同じように思っていたんだろう。
俺は逃げるように実家から出て、一人暮らしをはじめた。
一周忌・三回忌・七回忌、すべて理由をつけて拒否した。
死んだことを喜ぶ人間が法事にでちゃいけない気がしたからだ。
先日、祖父母の十三回忌が行われた。
嫁さんが一度くらい顔っだしてあげなよ、というのではじめて法事に出席した。
その時初めてオカンと2人で祖父母について語り合った。
「お互いつらかったね、でも頑張ったね」と、泣きながら語り合った。
そんな中、母が「あまりにもつらすぎて、頭おかしくなって、夜、ベランダで洗濯物干してたら隣を女の人が通る幻覚までみてたわよ、私。2階なのにね。しかもしょっちゅう見えたのよね、その人。ホント頭おかしかったわあの頃は」と。
ソレを聞いて俺は当然驚いた。
俺もオカンに同じものを見ていたことを言うと、オカンも「じゃあ、あれは幻覚じゃなかったの??」と驚いた顔をしていた。
オカンも同じように、あの人が通ってもなぜか違和感なく、恐怖感もなく、ただそれを見ていただけだったらしい。
不思議なことに2人とも、女の人だった、という事実は覚えていても服も髪型も覚えてない。
そして、毎回同じように隣の裏手に曲がっていく。
オチなしでスマンが、いまだにその人が何なのかわからない。
2人とも頭おかしくなってた可能性もゼロじゃないけど、一体何だったんだろう、アレ。
そんな異常な光景をみて恐怖を感じないのも、なぜなのかもまったくわからん。
もしかしたら、今もその人同じところを毎晩のように歩き続けてるんだろうか?
その日、夕方にう◯こもらした祖母のパジャマとシーツを洗ったものを干すタイミングを失って、夜22時過ぎに2階のベランダで干していた。
ふと気づくと、俺と同じ高さで、うちのベランダと隣の家の隙間を、ゆっくりと歩く女の人がいた。
2階と同じ高さで歩くなんて明らかにおかしいんだが、なぜか恐怖感がわかず、「ああ。俺本格的に頭おかしくなったんだなあ」と思ってぼんやり見ていた。
その人はそのままゆっくり横を通り過ぎて、隣の家の裏手のほうに曲がっていった。
彼女が消えてからも「今のは幻覚か?幽霊か?まあ、どっちでもかわらんか・・・」と妙に冷静に思って、洗濯物を全部干して、部屋に戻った。
その後、夜、ベランダで洗濯物を干していると、時々その女性が通るのを見た。
精神科の医者に伝えたところ「時間も時間だから、半分寝てたんじゃないですか?(笑)」といわれて、「そうですね」と答えた。
しばらくして、祖父母ともに相次いで死に、俺とオカンは介護から解放された。
正直、祖父母が死んだ時、俺はほっとした。
やっと死んでくれた。
もう夜中にトイレにつれていけと喚く人はいなくなったんだ。
そのくせ、わざと目のまでうんこもらして、お前のせいだと、さっさと処理しろと喚く人は消えたんだ、と嬉しくて泣いてしまった。
後ろめたさから、その後俺は祖父母のことについて話を一切しなかった。
オカンも同じような感じだったから、きっと同じように思っていたんだろう。
俺は逃げるように実家から出て、一人暮らしをはじめた。
一周忌・三回忌・七回忌、すべて理由をつけて拒否した。
死んだことを喜ぶ人間が法事にでちゃいけない気がしたからだ。
先日、祖父母の十三回忌が行われた。
嫁さんが一度くらい顔っだしてあげなよ、というのではじめて法事に出席した。
その時初めてオカンと2人で祖父母について語り合った。
「お互いつらかったね、でも頑張ったね」と、泣きながら語り合った。
そんな中、母が「あまりにもつらすぎて、頭おかしくなって、夜、ベランダで洗濯物干してたら隣を女の人が通る幻覚までみてたわよ、私。2階なのにね。しかもしょっちゅう見えたのよね、その人。ホント頭おかしかったわあの頃は」と。
ソレを聞いて俺は当然驚いた。
俺もオカンに同じものを見ていたことを言うと、オカンも「じゃあ、あれは幻覚じゃなかったの??」と驚いた顔をしていた。
オカンも同じように、あの人が通ってもなぜか違和感なく、恐怖感もなく、ただそれを見ていただけだったらしい。
不思議なことに2人とも、女の人だった、という事実は覚えていても服も髪型も覚えてない。
そして、毎回同じように隣の裏手に曲がっていく。
オチなしでスマンが、いまだにその人が何なのかわからない。
2人とも頭おかしくなってた可能性もゼロじゃないけど、一体何だったんだろう、アレ。
そんな異常な光景をみて恐怖を感じないのも、なぜなのかもまったくわからん。
もしかしたら、今もその人同じところを毎晩のように歩き続けてるんだろうか?
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