親戚がある事件に巻き込まれて死んだ。
見つかったときは、かなり腐敗が進んでウジも湧いて、何かに食べられて一部骨が見えてたそうだ。

見つかった原因も腐臭と死臭だったので、傷んでいて当然だったらしいけどね。

その遺体の確認をしたのがその人の母親と兄弟たち。
確認は写真→現物・・・という手順だったそうだ。
覚悟して死体確認をしたのに母親は卒倒。

兄弟たちも、その場で吐いたりした。

結局着ているものと、歯医者の治療痕。
親兄弟のDNAで最終的な本人確認がされた。

通夜と葬式と出棺の儀式は、空の棺桶でやって、遺体の守と火葬、骨拾いも葬儀社の人に頼んだ。

親も兄弟も普通に葬式をしたかったらしいが、駄目だったんだと。
あの中に◯◯がと考えるだけで、対面した遺体の状況と腐臭死臭がリアルに再現されて耐えられなかったそうだ。

俺が生まれる前の話だが、今でも時々法事の時なんかにその話が出る。
脳にこびりついてるらしく、その話題が出ると口を押さえて吐きに行く人もいる。

でもきちんと供養はしてるよ。
その人の生きてる時の思い出を話すときは楽しそうだし、愛情もあったと判る。
それでも腐臭と死臭には勝てないんだよ。