9年くらい前の話にmixiっていうSNSがまだ会員の推薦による紹介入会のみだった時代。

大学のサークルに会員がいて入会することが出来た。
生まれて初めてのSNSだったこともあって、暇な時には携帯で開いてサークルを冷やかしたりプロフィール検索をして、同じ地域の会員と友達になったりしていた。

その日も部屋に帰ってからmixiを覗いてたんだけど、たまたま見た寂れたローカルサークルの掲示板に30分前の書き込みがあった。

これから自殺するっていう書き込みで5人でやるだとか練炭だとか、やけに詳細な内容が書いてあったから、冗談とも本気とも取れてなんだか薄気味悪かったのだけれど場所が一番驚いた。

当時、北海道道央のある町の大学に通っていたのだけれど、その書き込みだと通っている大学から車で15分あれば着く山で自殺をするとのことだった。

通報するべきだったけれど、そんな書き込みどんなサイトにだって山ほどあって、その中で本当に自殺するケースなんて身近にはあったためしがなかったものだから少し気味が悪い程度に思った。

そのサークルはその自殺の書き込み以外はもう1年も放置されているような場所だったので、もちろんその書き込みに対する返答はなかったから、俺はいつするんですか?みたいなニュアンスで返答をした。

5分ほどすると返答が俺個人のメールボックスに届いた。
そのメールには「今です」と書いてあり、車の窓をガムテープで塞いで練炭に火をくべた、女が一人寝たみたいな細かい描写があって2chでいう実況みたいな雰囲気だった。

さすがにもう気味が悪くなってブラックリストに入れようとその人のプロフィールを見たら俺がメールを読んでいる間に退会処理をしていたようで、まあよくある冗談だなと思いながら寝たん。

もう予想着いてるだろうけど、翌々日にニュースで本当にその山で練炭自殺があったということを知って肝が冷えた。

状況も俺が見た掲示板の書き込みとメールと同じで通報をしていれば何か変わったかもしれないとすごく後悔した。

ただ一つ救いだったのはニュースで報道された人数は男1人と女3人、俺に読んだ書き込みには男がもう一人いた筈だった。

もともとその山は自殺の名所だったから誰かのいたずらとたまたま一致した事件だと信じて気持ちを落ち着かせた。