俺が中学生だった頃の話です。

周りで、「幽霊が見れる方法」というのが一時流行りました。
方法は簡単で、まず部屋を出来る限り真っ暗にします。
そのあと布団に仰向けに寝て、胸の上に手を持っていき、しっかりと両手を合わせます。
そしてその恰好のまま、部屋の天井の四隅をそれぞれ五秒ほど見た後、目を瞑ります。

次に目を開けた時、そこには幽霊がいる。
という方法でした。

全く霊感もなければそれまで幽霊らしいものを見たことが無かった俺は、さっそくその日の夜に試してみました。

四隅を見終わり、眼を閉じます。
ドキドキしながら、ゆっくり眼を開けると・・・。

何もいませんでした。
暗闇があるだけです。

「はいはい、そんなもんだよね」と思い起き上がって電気をつけようとした時、耳元で「まだ、終わらせないよ」と女性の声が聞こえました。

声にならない悲鳴を上げつつ、急いで電気をつけると、当たり前ですが、そこには何も居ませんでした。

当然、テレビも付いていませんでした。

俺はそれ以降、この方法は怖くてやっていません。
もし、幽霊と遭遇したい方がいたら、試してみるのもいいかもしれません。
何か起こっても、責任は一切持ちませんが・・・。