私自身が経験したわけじゃなくて、私の母、及び曾祖母が体験した話なんですが・・・。

私の曾祖母は、3年前の冬に亡くなったんだけど、亡くなるまでの間ずっと体調を崩してて、入院してた。
96歳という大往生だった。

旦那さん(曾祖父)は大昔に戦争に行って亡くなってたから、曾祖母以外の家族は、遺影でしか曾祖父を知らない。
それでも曾祖母は、遺影だけしか残っていなくても、自分が96歳になってからでも、曾祖父のことが大好きだった。

曾祖母は、亡くなる前にも何度か入退院を繰り返してたんだけど、本当に危なくなった時、峠を越えて目を覚ましたらいつも、「おじいさんが夢に出てきて、こっち来たらあかん言うとったわー」とか言ってたから、たぶんひいじいちゃんの方も、今でもひいばあちゃんを愛してて、心配してるんだろうなぁって思ってた。

そして、最後の入院になってしまった時の話。
入院してまだ元気だった頃(と言っても結構夢現な感じだった)、「最近おじいさんが全然会いに来てくれない。夢にも出てくれない」と、付き添いに来てた私の母にぼやいていたらしい。
そのたびに母は「まだこっちに来たらあかん言うとんのやで~」となぐさめてたとか。

で、そんなある日。
母が夜遅くに自宅のリビングで雑誌を読んでたら、二階から誰かが降りてくる気配がして「娘かな?」と思ってたら、その気配がすーっと、テーブルを挟んで、母の目の前まで来た。

母は顔を上げなかったけど、「あ、娘じゃない!」と思ったらしい。
しかも「着物の柄がはっきり見えた」らしくて、びっくりして動けなかったとか。
でも、幽霊だとは思ったけど、怖いとは感じなかったらしい。

後日、知り合いに紹介された霊能者の方に、その時のことを相談したら、「それは、戦争で亡くなられたあなたのおじいさんですよ。おばあさんが入院されて、心配して会いに来ていたのに、おばあさんが全然気付かないから、あなたの所へ行って気付いてもらおうとしたんですよ」と言われたらしい。

うちは家族全員霊感のある家系では決してないのに、寝ている時ならまだしも、起きている時に姿を見せるなんて、ひいじいちゃんよっぽど心配してたんだろうなぁと思うと、胸がじーんとなった。

ひいばあちゃんはその後、冬の寒い日に大好きだったひいじいちゃんの元へいってしまいました。

「ひいじいちゃんが付いているんだから!」と、回復を信じていた私達家族は、それはもう落ち込みました。

お葬式の時のお棺には、「あっちできれいな格好でおじいちゃんとデートしてね」と、孫一同からとして、きれいなピンク色のマフラーと白い手袋を入れました。

相変わらず霊感零の私達家族ですが、今入院してる私の祖父(曾祖父と曾祖母の息子)が危なかった時に「おじいちゃんを助けて下さい!」とお願いしていたら、その後見る見る回復したり・・・きっと今は二人一緒に、家族を見守ってくれているんだろうなぁと感じています。